子供を取り巻く環境は大きく変わってきています。外で遊ぶ事よりも家でのゲームが中心になることで他者との関係性を築いていくという経験が不足することや、ネットなどのトラブルに巻き込まれることも増えています。
子供の頃に経験した事はその後の人生を大きく左右します。努力して何かを達成するという経験は子供にとても大切だと考えます。簡単に出来ない、一人では出来ないような事も経験できるのが武道です。身体だけでなく強く生き抜く気持ちも子供達に身につけてもらいたいと思います。
いつの時代にもイジメや体罰問題はあります。近年武道の道場でも指導者による体罰が問題視されています。それだけに子供に武道を教えることに対して熱意と責任が問われています。
武道は使い方を間違えると相手を傷つけることになりますので、軽い気持ちで指導するわけにはいきません。修気道の指導者は道場での指導歴が長く子供に対しても責任感を持って接することが出来るベテランです。保護者からの信頼も厚く密にコミュニケーションを取りながら子供を見守っていきます。社会全体で子供を育てていくような環境を作りたいと思います。
道場の子たちは学年もバラバラです。年上・年下様々な子と積極的に関わり、年上は下の面倒をみる、年下は上から教わる。そういった環境によってイジメ問題を起こさないような思いやりのある子供に成長していってもらいたいと願います。
年に3回昇級審査会を実施しています。白帯から始まり、昇級していくと青、紫、緑、茶と帯が変わります。努力してきた成果が発揮される行事でもあります。少年部でも長く続けている子は初段(黒帯)を取得しています。
初段までの道のりは簡単ではありませんが、コツコツ努力していけば誰でも達成できるものです。
長く続けていると楽しい事ばかりではありません。辛い思いも体験し、それを経て達成させていくと自信にもつながり、壁に当たった時に自分で乗り越える力も養えます。
準備体操が終わったら基本稽古を行います。立ったまま静止した状態で突き・受け・蹴りなどを正確に出来るように毎回必ず練習します。
基本稽古の次は移動稽古です。前後に動きながらバランスが崩れないように突き・蹴りなど出していきます。移動の練習によって運動機能も向上します。
ミットを使って実際の突きや蹴り、または相手の攻撃を受けてから返す練習をします。身体のどこを使ってどう力を入れていくのかを学んでいきます。
また、ペアやグループになって相手の突きや蹴りを防御して投げるなどの実践稽古も行います。
型は一人で技を学ぶ練習です。相手がどこにいてどういう技をかけているのかをしっかりと考えて動きます。相手をイメージするので脳も活性化されます。
また、正しい力を出すには姿勢を安定させることも大切です。武道として無駄のない姿勢、呼吸なども形を通じて学んでいきます。
自由に技を使って相手と攻防を繰り広げます。安全性には配慮していますが、子供の時に痛みを知る事は大切です。相手を労わる気持ちも身につけます。
稽古では安全性を重視し、手足にサポーターを着用してケガをしないように配慮しています。
東京生まれ。18歳より実戦空手を始め、円心会館の東京城西支部長を12年勤める。長年選手生活を送るが30歳を過ぎた頃より呼吸法や中国内功法への関心が高まり、ヨガや意拳を学び始める。そして、単なる格闘術としての空手ではなく、健康や能力開発の関連性を研究し始め、2004年に自らの理想とする武道を追求するため独立した。また、「整体ヨガ研究院」の院長としての活動も行っている。
「小学生の頃に剣道を習ったのを機にずっと武道を学んできました。活発な子供でしたが、小学5年生から学校でのイジメにあい、辛い日を送ることになってしまいました。ずっとトンネルの中を歩いているような気持ちでしたが、心が折れなかったのは武道をやっていたお陰だと思います。20歳を過ぎてから試合に出るようになりました。元々人と競うことはそんなに得意ではなく、まして憎くもない相手と殴り合うという試合は自分には向いていないと思っていました。でも今(若い時)やらなかったら後悔すると思って出場を決め、8年間選手を続けていました。結局「優勝」はできませんでしたが、優勝を目標にすることで現状に満足せずに辛い練習にも耐えられたんだと思います。
30代になり、今後の目標を見失いかけました。選手の時は優勝が目標でしたが、現役を終える頃にはこれから何を目標にしたらいいのか分からなくなりかけたんです。そんな時に出会ったのが火の呼吸と意拳です。それぞれ小山先生、孫先生というその道の一流の先生方と出会うことができ、また新たな目標が見えてきました。簡単に極められるような技術ではありませんが、これを習得することで健康になって達人になりえる道筋が見えてきたのです。また、その後剣術の諸田先生や刀禅会の小用先生、沖縄空手の新垣先生にも出会い、武道の幅が相当広がりました。まだまだ武道家としてやるべき事が沢山ありますが毎日が充実しています。
これまで何度も挫折を経験しました。しかし、人生の逆境に合った時に救ってくれたのは武道でした。武道の練習は楽しい時ばかりではありません。辛い時期もあると思います。でもそれを乗り越えることで自分自身の自信につなかっていきます。修気道が人生を充実させ生きていく自信となってくれることを願っています。一歩踏み出す勇気をもって共に汗を流しましょう! 」
■国際意拳会「大成館」師範・六段
■武蔵円明流判官派剣術 教士・六段
■火の呼吸チーフインストラクター
■刀禅(小用老師主催)会員
■新垣清師範のセミナーに2012年より参加
【選手時代の経歴】
■1994年サバキチャレンジ全日本大会
軽量級準優勝
■1997年サバキチャレンジ全日本大会
軽量級準優勝
■1997年ワールドサバキチャレンジUSA大会
ベスト4
■1999年サバキチャレンジ全日本大会
軽量級3位